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当院の取り組み

当院の取り組み

 当院では1日3時間(9単位)のリハ訓練を毎日提供していますが、リハビリの訓練は1日24時間の中の3時間に過ぎません。訓練の量や質を追求していくことは大事なことですが、訓練以外の時間をいかに有効に過ごすかも同様に大切です。
 当院では独自に「リハケア基準」を策定し、寝・食・排泄・清潔の分離を徹底しています。これにより、リハビリ訓練の時間以外も活動的に過ごすことができ、訓練で練習した動作を病棟の生活場面で実践することができます。どのような動作をどのように日常生活に汎化させるかの過程で、訓練を担う療法士とケアを担う看護師・ケアワーカーがお互いに歩み寄り、協力し合えるようなチームアプローチが欠かせません。また、それなりの人手も必要とします。当院ではリハケア基準を順守できるよう、モーニングケア・イブニングケア体制を構築し実践しています。

@ 食事は食堂に誘導し、可能な限り経口摂取を推進。
A 洗面は洗面所で朝夕、口腔ケアは毎食後実施。
B 排泄は必ずトイレへ誘導し、オムツは極力使用しない。
C 入浴は隔日に必ず浴槽に入れる。
D 日中は普段着で過ごし、更衣は朝夕実施する。
E 体形に適合した車いすを用意する。
F 転倒・誤嚥等の安全対策を徹底し、可能な限り抑制しない。
G 可能な限り日中臥床しないようにケア。
H 理学療法・作業療法・言語療法を土・日・祝祭日を問わず、365日間毎日3時間実施する。


当院の取り組み

 朝と夕方は食事・整容・更衣等の活動が最も活発になる時間帯ですが、通常一般的な病院では日勤スタッフと夜勤スタッフの引き継ぎの時間帯とも重なり、マンパワーが不足してケアが疎かになりがちです。
 当院では必要なケアを十分に提供できるよう、朝・夕の時間帯にも患者さま48人に対して8名のケアスタッフを配置しています。8名の内訳は看護師3名、ケアワーカー3名、理学療法士1名、作業療法士1名で、理学療法士と作業療法士はこの時間帯は個別リハ訓練を行わずに患者さまのケアに専念しています。療法士が朝・夕のケアに入ることで、訓練場面で「できるADL」が病棟での「しているADL」に汎化されているかを自らの目で確認することが出来ます。


当院の取り組み

 回復期リハ病棟入院中の患者さまが入院中に転倒する確率は、19.9%(脳血管系25.7%、整形外科系14.2%)と言われています。回復期リハの時期には高次脳機能や、身体機能が不安定な状態で活動量が増えていくため、転倒を起こしやすい状態にあります。転倒時の外傷やその後の恐怖感は、日常生活動作自立への回復を妨げて入院期間を延長させる要因となります。また、骨折に至ってしまった場合は、手術のために急性期病院に逆もどりという事態に陥ってしまいます。リハビリのプログラムを円滑に進めていくうえで、転倒を予防することは極めて重要なことなのです。
 当院では転倒予防対策として、@入院時の合同評価における転倒リスクアセスメント、A転倒ハイリスク者の抽出、B転倒予防対策の策定(ベッド周囲の環境調整、転倒予防のセンサー設置等)および随時見直し、C患者さま・ご家族へのオリエンテーション等を行っています。
 当院では年間延べ670名の患者さまが多種多様のセンサーを使用しています。患者さまの特性に応じて最も適した転倒予防センサーをいつでも提供できるよう、マットコール、離床センサー、サイドコール、赤外線センサー、チェアセンサー等を多数常備しています。
 また、日々変化する転倒に関する情報をチームでしっかりと共有できるよう、電子カルテを駆使してリスク管理のための情報共有を徹底して行っています。


当院の取り組み

 リハビリテーションでは離床が何より重要ですが、体のサイズや姿勢に合わない車椅子では十分な離床は図れません。当院では、合わない車椅子を我慢して使用していただくような事態が起こりえないよう、病院を挙げてシステム作りとスタッフの教育に力を注いでいます。
 当院で使用している車椅子は、全てモジュラー型です。モジュラー型の車椅子とは、座面の高さや角度、フットレストの長さや角度、アームレストの高さ、背もたれのたわみ具合等、患者さまの体型や姿勢の特性に合わせて、きめ細かく調節できるタイプの車椅子です。また、車椅子のクッションも患者さまの座位安定性や褥瘡の有無等により数種類のクッションを使い分けています。患者さまの状態や回復の過程に合わせて療法士やケアスタッフが日々車椅子を調節しています。

 重症の患者さまが入院してくると、最初はチルトリクライニングの車椅子を使用し、半分起こした姿勢で離床を図りますが、その後座位バランスが改善してくると、普通型の車椅子に交換する必要性が生じます。患者さまの重症度や回復状況によって、病院で使用するリクライニングと普通型の車椅子の構成も日々変化していきます。当院では、車椅子を病院独自で購入せずに、介護機器レンタル業者(LSS:Life Step Service)から短期レンタルして患者さまに提供しています。このレンタルシステムにより、病院側が車椅子の在庫調整や管理業務に追われることなく、患者さまのニーズに則した車椅子を迅速に提供することが実現できています。


当院の取り組み

 リハビリテーションでは離床が何より大切ですが、患者さまをやみくもに起こすだけでは殿部等一部分に体圧が集中してしまい、褥瘡を形成・悪化させてしまうことになりかねません。離床と褥瘡の予防という相反することを両立させるためには、体圧をいかに上手に分散させるかが重要なポイントになります。 
当院では、離床時の体圧分散が適切になされるよう、チルトリクライニング機能が付いたモジュラー型の車椅子に特殊空気構造のクッション等を組み合わせ、離床と褥瘡予防の両立を図っています。褥瘡のリスクが高いケースでは、車椅子座面の圧測定しながら車椅子を調整します。

  臥床時の褥瘡を予防・治療のためには、エアマットのような特殊空気構造の体圧分散寝具を使用することもありますが、軟らかすぎるマットは寝返り動作や座位保持の安定性を犠牲にしてしまいます。当院では、体圧分散機能が高く、なおかつ寝返りや座位保持の安定性もしっかりと確保できる「アルファプラ」「パラフィット」「マキシフロート」等の高機能の体圧分散寝具を多用し、褥瘡の予防と活動の拡大の両立を図っています。 
 当院の褥瘡発生率は1.17%で、全国の一般病院での発生率(1.52%)より低く、大学病院での発生率(1.16%)に匹敵する数値に抑えられています。

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