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当院の取り組み

当院の取り組み

 片麻痺で歩行困難となった場合、麻痺側の足にしっかりと体重をかけて、適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります。麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため、そのままでは適切な荷重訓練ができませんが、膝と足首を固定する長下肢装具を使用することで適切な荷重訓練を行うことができます(図13)。

 図14は重度の右片麻痺を患った患者さんの荷重訓練をしている時の麻痺側下肢の筋活動(表面筋電図)を経時的に示したものです。入院時(図14:写真上)、膝と足首を固定する長下肢装具を使用して麻痺側への荷重訓練をしていますが、体重を支える筋肉(大殿筋・大腿直筋)の活動はまったく認められていません。この時点では、患者さんは自分の足の力ではなく、装具の固定力と理学療法士の支えによって体重を支えています。しかし、このような練習を繰り返し続けていくことで、2週間後(図14:写真中)には大殿筋・大腿直筋にわずかながら筋活動が見られるようになっています。5週間後(図14:写真下)には筋肉の活動がさらに大きくなり、装具での膝の固定力を必要としなくなり、膝から下だけの短い下肢装具でも体重を支えられるようになっています。
 麻痺の重症度に応じて早期から適切な下肢装具を使用し、理学療法のなかで適切な歩行パターンを獲得した後は、日常生活の中でも歩行する機会を設け、歩行距離を段階的に延長しながら歩行の実用性を高めていきます。屋内だけでなく、屋外の凸凹や坂道や階段なども練習して外出能力を高めることも重要です。


当院の取り組み

 片麻痺の上肢や手指の機能回復には、麻痺の重症度や回復状況に適した難易度の課題を反復して行うことが重要です。課題の難易度が高すぎたり、逆に易しすぎるとリハビリの効率は落ちてしまいます。個々の患者さんに最適な難易度の課題を提供していくためには作業療法士の力量に加えて、課題難易度をきめ細かく調節できる訓練機器や自助具(図15:左上)を過不足なく取り揃え、必要に応じていつでも提供できるよう体制を整えておく必要があります。当院では上肢機能訓練ロボットのReo Go-J(図15:右上)、機能的電気刺激のIVESやMURO Solution、スパイダースプリント(図15:左下)やポータブルスプリングバランサー等を揃え、重症度に合わせた訓練を提供できる体制を構築しています。

HANDS療法について

 当院では片麻痺で入院されている患者さんのうち一定の条件を満たす方を対象にHANDS療法を施行しています(図15:右下/HANDS療法)。HANDS療法とは、機能的電気刺激装置と上肢装具を1日8時間装着し、作業療法士が作成した自主訓練を通して日常生活で積極的に麻痺側上肢を使用するという治療法です。適応のあるケースでは通常の作業療法よりも効果があり、脳卒中治療ガイドラインでも推奨されています。

HANDS療法の適応

1.脳卒中後遺症による片麻痺(SIASのKM 2以上かつFF 1B以上:肘の屈曲が可能で手指のわずかな伸展が可能な状態)
2.麻痺側上肢に著名な関節拘縮がない
3.階段昇降・歩行・入浴以外のADL自立している,もしくは自立の見込みがある
4.治療の実施に影響を及ぼす認知症・高次脳機能障害・コミュニケーション障害がない
5.12歳以上、80歳未満


当院の取り組み

 摂食嚥下リハビリテーションでは、口腔ケア、栄養管理、摂食嚥下評価および訓練を包括的にバランスよく行う必要があり、どれかひとつの要素が欠けていても最善の結果は得られません。医師・看護師・ケアワーカー・言語療法士・管理栄養士・歯科医・歯科衛生士等のプロフェッショナルとしての質の高さとチームワークの融合が成功の鍵となります。
 当院では、48床の病棟に対して医師3名・看護師20名・ケアワーカー14名・理学療法士18名・作業療法士14名、言語聴覚士6名、管理栄養士1名、薬剤師1名を病棟専従で配置しています。病棟専従体制の最大のメリットは、多職種が病棟内で顔を合わせる機会が多くなるために職種の壁が出来にくく、コミュニケーションが密になり、チーム医療の質が向上することにあります。これは摂食嚥下リハビリテーションを進める上でも大きなアドバンテージとなります。
 また、当院では胃瘻以外の経管栄養は原則として全例間欠的経管栄養法で行っており、これも経口摂取獲得の可能性をさらに引き上げています(詳細は4ページの「経管栄養の管理:間欠的経管栄養法の取り組み」を参照ください)。
 以上の取り組みにより、嚥下障害により経管栄養の状態で当院に入院された患者さんの58.6%は退院までに3食経口摂取可能となり、経管栄養を離脱することが出来ました(図16)。


当院の取り組み

 大脳の損傷によって引き起こされる高次脳機能障害には、注意障害、記銘力障害、見当識障害、発動性低下、遂行機能障害、半側空間無視、構成障害、失行、失認等、様々なものがあります。高次脳機能障害のリハビリテーションでは、どのような症状がどの程度あり、それが日常生活や家事動作や職業活動にどのような影響を及ぼすのかをしっかりと評価し、問題点を克服するための対策をたてていきます。
 高次脳機能障害は半年から長い場合では数年間かけて改善していくことがよくあります。多くの場合、入院期間内にすべての問題を解決することには至らず、退院後も外来に通いながらリハビリを継続し、回復を長い目で見ていく必要があります。外来のリハビリの他に、自立支援施設での高次脳機能障害グループ訓練や就労支援や職業訓練等、より難易度の高いリハビリを併用することで、さらに高いゴールを目指せる方もいます。
 当院は、外来にも高次脳機能障害の治療を行える療法士を十分に配置し、ソーシャルワーカーを窓口として地域のリハビリテーションの資源ともしっかりと連携を取りながら包括的に治療を進めていく体制を構築しています。


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 筋肉の過剰な収縮いわゆる「筋痙縮」は脳卒中や脊髄損傷の患者さんの20〜30%に生じ、活動量が高まる回復期の時期に症状が悪化しやすいと言われています。痙縮は悪化すると本来の運動を妨げ、関節の疼痛や変形を来し、リハビリテーションの進行に大きく影響するため、早期から予防や治療を行う必要があります。
 筋痙縮の予防・治療として、以下A〜Fが推奨されています(脳卒中治療ガイドライン)。痙縮の程度や疼痛、日常生活への影響を医師と療法士が共同で評価し、適切な治療法を選択します。A〜Eは当院で実施することができ、物理療法ではパワープレートR等の振動療法を多く実施しています。モーターポイントブロック・ボツリヌス療法は医師の技量で治療の成否が大きく左右されるため、リハビリテーション科専門医の指導のもと実施しています。
外科的治療が必要となった場合は連携病院と協議しながら治療を進めます。

  A) 関節可動域訓練・自己ストレッチ
  B) 装具療法
  C) 物理療法
  D) 内服薬(筋弛緩薬等)
  E) モーターポイントブロック・ボツリヌス療法(図17・18)
  F) 外科的治療(アキレス腱延長術、バクロフェン髄腔内投与療法など)


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 リハビリの訓練の時だけでなく、麻痺した手を日常生活の活動のなかでも使用するように心がけると、動かす機会が増えてさらに回復するという好循環が生まれます。調理や洗濯ものたたみ等の家事動作は両手を使うことが多く、手の訓練として大変良い課題となります。また、成し遂げた時の達成感もあるため、精神的な自立にもつながります。
 麻痺が重度で手が使えない場合でも器具の工夫によって片手で調理できるようになる方もいます。入院中から家事動作や屋外歩行や公共交通機関の利用、あるいは復職・復学等、生活をどこまで広げられるかを訓練しながら見極め、退院後に患者さんが自分なりの役割を持って生活していくことはとても重要です。(図19・20)
 入院中には生活訓練が十分に行えなかった場合でも、退院後に外来リハビリや訪問リハビリを継続することで残された課題を解決できることもあります。当院には外来リハビリや訪問リハビリ部門があり、退院後も切れ目なく生活期のリハビリを継続していくことが出来ます。

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